Oリング - エコーパーフロ

エコーパーフロ

酸、アルカリなどあらゆる薬品において使用が可能な素材

酸、アルカリなどあらゆる薬品において使用が可能な素材

エコーパーフロは、超高性能フッ素ゴムで、ゴム弾性を保持しつつ、従来のフッ素ゴムでは使用不可能であった有機極性溶剤(ケトン・エステル・エーテル・フラン・アンモニアなど)、酸、アルカリなどあらゆる薬品において使用が可能となった、画期的な製品です。

また、使用温度範囲が(-20°C~+220°C)と従来のフッ素ゴムより幅広く耐スチーム性にも優れ、ゴムからの内部ガス、重金属溶出などが極めて少なく、化学的にも安定した分子構造となっていますので、半導体製造装置のパッキンに最適です。

用途

化学工場におけるポンプ、反応器、攪拌機などのシール用パッキン、半導体産業における腐食性の高いガスや薬品類の洩れ止めシール材、その他化学薬品輸送車両や原子力産業での逆止弁、減圧弁及び航空産業でのシール材など、幅広く使用が可能となりOリング、ダイヤフラム、V型パッキン、各種成型品などに大きな効果を発揮します。

物理的性質

常態物性 特性値
硬度(JIS Hs) 75
100%モジュラス(Mpa) 10.5
引張り強さ(Mpa) 12.9
伸び(%) 110
圧縮永久歪 200°C×70時間
歪率(%) 22

エコーパーフロの原料ゴムの種類

エコーパーフロは、原材料として下記の2種類のものをご用意しております。半導体製造装置等の苛酷な使用環境に適した特注品も取り扱っておりますので、その際にはご相談ください。

品種 PB-70 PW-70
外観 黒色 白色
比重 1.92-1.97 2.11-2.16
硬度 73-78 71-76

エコーパーフロの加硫ゴムの性質

エコーパーフロの物理的特性の試験結果を下記に示します。

項目 PB-70 PW-70
外観   黒色 白色
比重   1.94 2.12
ガラス化温度(DSC) °C -19 -19
ゲーマンねじり試験 °C -21 -21
硬度 (JIS A) 75 73
引張り強さ MPa 12.9 10.1
伸び % 110 140
100%モジュラス MPa 10.5 6.5
圧縮永久歪(200°C×70時間) % 22 25
加熱空気老化(230°C×70時間)      
硬度変化 Points -2 -1
引張り強さ変化率 % -7 -20
伸び変化率 % +17 +25

※上記試験方法は、JISK-6301(加硫ゴム物理試験方法)に準ずる。

エコーパーフロの食品安定性

エコーパーフロの食品衛生試験

項目 結果
(材質試験)
適合する
カドミウム 適合する
(溶出試験)
重金属 検出せず
過マンガン酸カリウム消費量 適合する

試験方法は厚生省告示第20号による。

エコーパーフロの低温特性

エコーパーフロの加硫ゴムの低温ねじり試験

エコーパーフロの加硫ゴムの低温ねじり試験

エコーパーフロの加熱発生ガスの分析

  PB-70 PW-70
測定日時 6 Jan 2000 6:15pm 11 Apr 2000 4:17pm
装置 GC/MS lns
サンプル名 No.1 エコーパーフロ PB-70(黒) No.1 エコーパーフロ PW-70(白)
一般情報 試料量:2.2916g 試料量:2.1932g
バイアル番号 1

加熱脱着条件

装置名 FLUSH SAMPLER FLS-1
脱着温度 室温(5min ホールド)→250°C/
min 昇温→250°C
室温(5min ホールド)→250°C/
min 昇温→270°C

GC/MS 測定条件

装置名 HP-6890/5973
カラム DB-5
カラム温度 40°C(10min ホールド)→(10°C/min昇温)→280°C(10min ホールド)
試料導入部温度 280°C
イオン化法 El (m/z 20~500)
イオン化電圧 70eV
キャリアガス He 1mL/min
注入量 全量

試料:エコーパーフロPB-70(黒)からの加熱発生ガス成分のGC/MSトータルイオンクロマトグラム
(加熱条件:200°C×2時間、Air雰囲気)<単位:μg/g、()内はμg/個>

①不明成分1(フロン系化合物?) 3.6
(1.6)
⑧エチレンジメタクリレート 0.28
(0.13)
②混合成分(アセトン、アクロレイン、ヨウ化メチル) 5.8
(2.7)
⑨テトラデカン 0.08
(0.03)
③不明成分2(ヨードナフタレン?) 4.9
(2.3)
⑩不明成分3(シロキサン化合物?) 0.05
(0.03)
④アセトフェイン 0.12
(0.06)
⑪2,6-ジ-t-ブチルキノン 0.09
(0.04)
⑤デカメチルシクロペンタシロキサン 0.05
(0.02)
⑫ペンタデカン 0.06
(0.03)
⑥シクロヘキシルイソチオシアナート 0.05
(0.03)
⑬2,4-ジ-tブチルフェノール 0.16
(0.07)
⑦ドデカメチルシクロヘキサシロキサン 0.06
(0.03)
④ヘキサデカン 0.10
(0.05)

試料:エコーパーフロPW-70(白)からの加熱発生ガス成分のGC/MSトータルイオンクロマトグラム
(加熱条件:200°C×2時間、Air雰囲気)<単位:μg/g、()内はμg/個>

①不明成分1(フロン系化合物?) 7.1
(7.7)
⑧混合成分2(ベンズアルデヒド、テトラメチル、テトラヒドロフラン) 1.1
(1.2)
②混合成分(アセトン、ヨウ化メチル、t-ブタノール) 4.6
(5.0)
⑨ジブトキシ-2-プロパノン 0.69
(0.76)
③3-メチル-3-ブテン-1-オール 4.9
(2.3)
⑩不明成分3 1.3
(1.4)
④DMF 0.62
(0.68)
⑪2,6-ジ-t-ブチルキノン 0.25
(0.28)
⑤2-t-ブトキシエタノール 0.34
(0.37)
⑫2,6-ジ-t-ブチル-4-メチレン-2、5-シクロヘキサジエン-1-オン 0.46
(0.50)
⑥グアニジン 0.54
(0.59)
⑬4-メチル2、6-ジ-t-ブチルフェノール 0.16
(0.18)
⑦不明成分2 0.48
(0.53)
   

エコーパーフロの耐溶剤性並びに耐薬品性

エコーパーフロの耐溶剤性、耐薬品性はフッ素ゴムの中でも卓越しており、従来のフッ素ゴムでは使用できなかった苛酷な使用条件、用途にも使用可能です。
エコーパーフロはフッ化ビニリデン系ゴムで使用が困難だったケトン、エステル、フラン、有機酸、アルカリ、アミンにも使用可能です。しかし、フロン系溶剤では化学的成分が類似しているため体積増加はかなり大きくなります。

エコーパーフロの耐溶剤性並びに耐薬品性

A→体積増加率5%未満、B→体積増加率5%~20%未満
C→体積増加率20%~50%未満、D→体積増加率50%以上

薬品名 温度(°C) 日数 評価
<有機酸>
塩酸(10%) 45 100 A
塩酸(20%) 110 14 A
塩酸(35%) 40 21 A
液体窒素(乾燥) 60 10 A
乾燥塩素ガス 24 150 A
塩化ビニール 50 200 A
塩化クロルアセチル 70 90 A
塩化水素(99%) -7 300 A
安息香酸 40 30 A
無水酢酸 45 100 B
トリクロロ酢酸 40 30 A
無水マイレン酸 100 100 A
乳酸 70 7 A
燐酸 100 28 A
蟻酸 40 21 A
<アルカリ類>
水酸ナトリウム(30%) 40 21 A
水酸ナトリウム(46%) 24 10 A
次亜塩酸ナトリウム 40 21 A
四塩化エタン 24 21 A
アンモニア水(28%) 40 21 A
アンモニア水(35%) 45 100 A
無水アンモニア 24 200 A
フッ化水素酸(75%) 100 5 A
過酸化水素 100 10 A
硫化水素 100 20 A
<アルコール類>
アミルアルコール 40 21 A
メチルアルコール 24 21 A
イソプロピルアルコール 40 21 A
エチルアルコール 40 30 A
プロピレングロコール 40 21 A
エチレングリコール 130 10 A
メチルカルビノール 40 21 A
エチルカルビノール 100 7 A
ブチルアルコール 45 100 A
シクロヘキサノール 40 21 A
薬品名 温度(°C) 日数 評価
<窒素化合物類>
アセトニトリル 45 100 A
アクリロニトリル 40 21 A
ホルムアミド 40 21 A
スチレン 24 90 A
フェニレンジアミン 200 60 A
エチレンジアミン 40 21 A
ジエチルアミン 24 28 A
トリエチルアミン 40 21 A
トリエチレンテトラミン 40 21 A
アニリン 40 21 A
ピリジン 40 21 A
N,N-ジメチルホルムアルデヒド 40 21 A
N,N-ジメチルアセトアミド 40 21 A
N-メチル-2-ピロリドン 100 7 A
フェノール 150 28 A
<炭化水素、ハロゲン化水素類>
四臭化アセチレン 24 30 A
n-ヘキサン 40 21 A
シクロヘキサン 40 21 B
イソオクタン 40 21 B
デカリン 40 21 A
ナフサ 70 70 A
プロプレン 40 200 A
水銀 90 300 A
ベンゼン 45 100 A
トルエン 24 360 A
グリセリン 120 5 A
キシレン 100 90 A
モノクロルベンゼン 24 30 A
エチルベンゼン 40 21 A
グリオギザール(40%) 45 100 A
ニトロベンゼン 24 360 A
モノクロルトルエン 24 30 A
1,2-ジクロルベンゼン 40 21 A
クロロホルム 40 21 A
トリクロロアセチルクロライド 24 28 A
四塩化炭素 40 7 B
塩化メチレン 25 21 A
パークロロエチレン 100 28 A
トリクロロエチレン 40 7 A
テトラクロロエチレン 40 21 B
テトラクロロエチレン 100 7 B
1,2-ジブロムエタン 40 11 A
ダイフロンソルベントS-3 25 11 D
ダイフロンソルベントS-2 40 11 C
ダイフロイル#10(フッ素油) 130 11 C
ダイフロイル#1(フッ素油) 40 21 C
六フッ化ウラン 200 60 A
薬品名 温度(°C) 日数 評価
<フラン、アルデヒド類>
テトラヒドロフラン 40 21 B
2-メチルテトラヒドロフラン 40 21 B
プロピオンアルデヒド 24 28 A
アセトアルデヒド 25 21 B
エチルクロルヒドリン 45 100 B
ブチルアルデヒド 40 30 B
フルフラール 40 21 A
フルフラール 100 7 A
アセトフェノン 40 21 A
ホルマリン 40 21 A
<ケトン、エーテル類>
ケロシン 45 100 A
アセトン 40 21 A
メチルエチルケトン(M.E.K.) 40 21 A
メチルイソブチルケトン 40 21 A
ブチルセロソルプ 45 100 A
イソホロン 40 21 A
ジアセトンアルコール 40 21 A
r-ブチロラクトン 40 21 A
アセチルアセトン 40 21 A
蟻酸メチル 40 21 A
酢酸エチル 40 21 A
酢酸イソアミル 40 21 A
アセト酢酸メチル 40 21 A
アセト酢酸エチル 40 21 A
アクリル酸 40 21 A
アクリル酸メチル 40 21 A
シュウ酸ジエチル 40 21 A
マレイン酸ジメチル 40 21 A
トリエチルホスフェート 40 21 A
トリクレジルホスフェート 100 7 A
ジエチルエーテル 25 21 B
1,4-ジオキサン 40 21 A
メチルメタアクリレート 100 200 A
メチル-t-ブチルエーテル 40 21 B
<その他、油、スチーム類>
ファイヤークエル 130 11 A
ファイヤークエル 175 3 A
DNカットHS-1 130 11 A
エッソユニフロ 175 3 A
O-148CT(Air Craft) 175 20 A
JIS No.1 OIL(潤滑油) 175 16 A
ASTM No.3 OIL 175 16 A
ASTM 標準燃料 B 24 7 A
ASTM 標準燃料 C 24 7 A
灯油 45 100 A
スチーム 150 30 A
スチーム 190 30 A
95°C熱水 95 21 A

A→体積増加率5%未満、B→体積増加率5%~20%未満
C→体積増加率20%~50%未満、D→体積増加率50%以上

※当技術資料に記載したデータは、測定値であり、保証値ではありません。

注)ご使用に際しては、事前に個々の使用条件に応じた機能テストを行うようお薦めいたします。特に、薬液への溶出、抽出などの汚染が問題となる場合には、その都度テストするようにして下さい。

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